「元気がないですね」
毎朝を起こしにくるコンラッドがいつものように目覚めのお茶をいれながら聞いた。
「そう?」
そのはまだベッドの上から動こうとせず、ようやく上半身を起こしてカップを受けとる。
「…怖い夢でもみましたか?」
コンラッドの指がやさしく目尻に触れる。
「涙の跡が」
夢の内容なんて覚えていない。
ただ辛くて怖くて苦しくて、これが現実でなければいいと強く願ったことは思い出せた。
「?」
知らず涙が溢れた。
「コンラッド…甘えさせて…」
その言葉にふわりと微笑んでの手からカップを取る。
「いくらでも望むままに」
カップをテーブルに戻しベッドへ腰掛けようとした。
「ちょっ…靴のままですよ?」
コンラッドはベッドに座りを抱き寄せようとしていたが腕を引かれベッドへと倒れこんだ。
靴のままで。
「汚れますから」
そう言って脱ごうとしてもが離してくれない。
「汚れたって洗えばすむもん。今は早く甘えたいの」
コンラッドはの肩越しに天井を見た。
いつもは逆で組み敷いたを眺めているのに。
「話してください。どんな夢だったんです?」
そっとの体に腕を回し抱きしめる。
「…覚えてない。でもね、怖かった」
とくん、とくん、との鼓動が伝わる。
ゆっくりだったそれが次第に速まる。
「いいんですよ無理に思い出さなくても」
「………ん」
落ち着くようにポンポンと背中を叩く。
不安な気持ちが少しでも薄らぐよう、君はひとりじゃないんだと抱きしめる腕に力を込める。
しばらくそうしていると胸の上から顔を上げたの笑顔が視界に入った。
コンラッドはの脇の下に手を入れて少しだけ持ち上げる。
顔の距離が近付いた。
「ん……っふ…」
口付けたのはコンラッド。でも体勢はが押し倒しているように見えていていつもと違う感覚に襲われる。
「から襲われてるみたいだ」
「うん…恥ずかしい」
「俺は嬉しいけど」
そして二度目のキス。
唇を名残惜しそうに離すと彼は微笑んだ。
「朝食の時間ですがどうしますか?」
「ご飯!!おなかすいちゃった!」
「いつものですね」
コンラッドはゆっくり体を起こすとベッドから下りようとするを後ろから抱きしめた。
「ひゃっ!?」
いきなりのことに驚いて変な声が出た。
「あなたはここにいて、俺の目に映ってる。…愛してるよ」
コンラッドはの顎に手を添えて上を向かせると本日三度目のキスを贈った。
〜〜fin〜〜