悔しい。
いつでも頼ってしまうのがコンラッドだってことが。
悔しい。
コンラッドがいるだけで安心してしまうことが。
悔しい。
こんなにも貴方が好きってことが。
コンラッドに借りた本を読み終えて枕元の灯りを落とすと急に真っ暗になった。
不意に襲う孤独感。
本に夢中になってる間は気付かなかったのに。
何度も寝返りをうって、のろのろとベッドから下りる。
本を返すだけなんだからって自分に言い聞かせながら部屋を出た。
段々とコンラッドの部屋が近付いてくると変に緊張してきた。
夜中だしコンラッドも寝てるかもとノックしかけた手を下ろす。
溜め息がひとつこぼれた。
馬鹿みたい。寝よ……
踵を返して戻ろうとした背後から扉が開く音と「?」とコンラッドの声。
「こんな夜更けに一人で来たのか?」
やや不満そうな顔で廊下へ出てくる。
「…ごめん。これ読んだから。ありがとう」
「わざわざ?明日で良かったのに」
押し付けられた本を持ち首を傾げた。
急に恥ずかしくなって背を向けた。
「じゃ、おやすみ!」
歩き出そうとしたあたしの腕を取ってコンラッドは笑顔で言った。
「待った。一緒に寝ませんか?」
広いベッドに先に入ったコンラッドは隣をポンポンと叩き入るように促す。
「…お邪魔します」
あたしはなにやってんだろう。
情けなくて悔しくて溜め息が出そうになるけどそれとは裏腹にコンラッドの側にいられることが嬉しくて頬が緩んでしまう。
「ああ良かった。何だか寂しくて寝つけなかったんです」
肘をついてあたしを見下ろしながらにこにことするコンラッドにバレバレだったと赤面した。
毛布をあたしの肩までかけてその上から優しく叩く。
「子供扱いしないでよ」
「してませんよ」
穏やかに笑ってそれでも手を止めない。
「……寒い…」
コンラッドの胸元に顔を埋めると驚いたように手の動きを止め、それからあたしの体を抱き寄せた。
「ええ。寒いですね」
「うん。寒い」
「じゃあもっとこっちにおいで」
コンラッドの腕にしっかりと包まれて温もりに安堵する。
「どう?まだ寒い?」
「大丈夫だけど、このままでいてくれる?」
「喜んで」
何でもお見通し。
そんなところが悔しいけれど―――…本当は大好きです。
〜〜fin〜〜