「あー…いたたた」
「姫ッ!大丈夫ですか?ああ!血ッ血が!!」
「ヨザック平気だから…うぅ〜」
「医者!姫さんここにいてくださいよ!」
ヨザックは猛ダッシュで走っていった。
この騒ぎが何かというと、ヨザックの止めるのも聞かずにやんちゃしたあたしがいけないんだ。
馬に触ろうとして(ホントは乗ろうと思った)尻尾掴んじゃったら振り払われて尻餅ついた。
受け身とかとれないしお尻をしたたか打って足首も捻って掌をかすって…
「我ながらマヌケ」
痛いのと情けないのとで泣き笑いになる。
「!!」
いつものような穏やかさがない焦りと怒りを含んだような声。
コンラッドを先頭にヨザックとギーゼラが走ってくるのが見えてなんだか安心してしまって涙が出てきた。
「どこが痛い!?」
あたしの隣に片膝をついて調べるように体に触れる。
怒ったような顔だけど手は優しかった。
「痛いところは?」
コンラッドの反対側にギーゼラ、正面にヨザックが座る。
「お尻打った…あと右の足首がちょっと痛くて…それから」
両手を見えるように開く。
「うっわ〜〜〜……」
ヨザックが顔をしかめ、コンラッドがこれは痛いと呟く。
「大丈夫ですよさま」
ギーゼラはにっこり微笑んで治療を開始した。
「ヨザックお前がいながら何故をこんな目に合わせた」
コンラッドに睨まれてヨザックが小さくなる。
「違うよ!ヨザックはちゃんと止めたの。あたしが聞かなかったから悪いの!怒るのはヨザックじゃないよあたしだよ!」
「そんなことは関係ないんです。主人に怪我をさせるなど臣下として…」
「あたしに臣下なんかいないもん!!ヨザックは友達だもん!…ヨザックはどう思ってるか知らないけどさ」
痛みじゃなくて、涙が出てきた。
「…姫。俺なら大丈夫ですよ。隊長に怒られるの慣れてますからね」
ニッとお日様の様に笑った。
「それに友達になってくれるんでしょ〜?嬉しいわグリ江v」
「あはは。そうだよグリ江ちゃん」
コンラッドを盗み見れば呆れたように笑ってた。
「さぁ治療は済みましたけど無理はしないように。後で喉笛2号をお届けしますね」
それってユーリが言ってたヤツ?
「俺が杖になりますからあんまり必要ありませんけどね」
「うわぁ〜嬉しいな〜」(棒読み)
ふいに体が浮いた。
これはコンラッドのお得意お姫さまだっこですね。
「大人しいですね」
「今回ばかりは抵抗しませんよ」
「それはよかった……」
「ん?」
「お願いですからあまり心配させないでくださいね。心臓が止まりそうになったのは初めてです」
「…ごめんなさい」
コンラッドがホントに辛そうで泣きそうに見えたから素直に謝罪の言葉が出た。
「もう…危ないことはしないと約束してください」
「うん。約束する」
「に何かあったら俺だってどうなるかわかりませんからね。あなたがこの世からいなくなったら、後を追いかけますから」
えぇ!!??
「それって…」
「あなたが死んだら俺も死ぬということです」
「駄目に決まってるでしょ!!!」
「ならずっとそばにいてください。それしか方法はありませんからね」
…ったく…もう。
「そうだリハビリに行きましょうか?ヒルドヤードの温泉まで」
「あ!それってユーリも行ったとこだよね!?行く行く〜!じゃあみんなに声かけよ!」
「いえ、俺とふたりで…」
「楽しみだな〜ね、ヨザックもいい?あとグレタは無理かなあ?もぅ〜コンラッド大好き!!」
「(いやふたりきりで……まぁいいか)」
浮かれてコンラッドのほっぺに口付けたあたしは無意識のうちに腹黒閣下との二人旅を回避したらしい。
よかった!!!
〜〜fin〜〜