今日は朝から騒がしい。
メイドさんは普段の倍の人数が慌ただしく走り回ってるし出入りの商人の数も多い。
はバルコニーからその様子を眺めながら背後の人物に尋ねた。
「ああそういえば上王陛下が戻るとか言ってましたね」
の後ろにはコンラッドがいた。
いたというかコンラッドの部屋でコンラッドの膝に座って外を眺めている。
「誰それ。男ー?」
「…ヴォルフの真似ですか?」
グレタといいといい結構面白がって使っている。
「で?上王陛下って?」
「前魔王ですよ。ちなみに女性です」
「女の人―!?会ってみたいなぁ」
「あちらから会いに来ると思いますよ。それよりそろそろこっち向いてください」
コンラッドによって横抱きにされてしまった。
「…」
左手でを支え、空いている右手で顎を上に向かせると口付ける。
「可愛い…」
唇を離すとコンラッドはの腕を自分の首に回させた。
「、愛しています」
「うん…あたしもコンラッドの事…愛して…」
バタン!!!!!
「コンラート!!」
珍しいからの愛の告白を遮って部屋に乱入したのは
「わ!セクシークィーン!!」
金の巻き毛に翠の瞳を持つ美女。
コンラッドは溜め息をつくとを膝から下ろし美女の前に立った。
「お久しぶりです」
「やぁん。コンラートったらぁー固い挨拶なんかいらなくてよ」
そう言うと美女はコンラッドに抱きついた。
「ねぇ、今夜あたくし主催のパーティを開くの。エスコートしてくれる?」
放漫な胸を擦り寄せて迫っている。
普通の男ならフェロモンに落ちていると思う。
が、コンラッドは冷静だった。
さりげなく美女の体を離し
「取り巻きなら大勢いらっしゃるでしょう」
とやんわりと断りをいれた。
はといえば突然現れたセクシークィーンに唖然としていた。
何をどうしたらそんなに胸が膨れるんですか!?
いやそれよりあなたはどなたですか?
それにコンラッドとはどのようなご関係で?
あたしのこと見えてます?
等、いろんなことが頭の中に巡っていた。
さすがにコンラッドに抱きついた時には片眉が上がったけれど。
「あら!あらあらあら〜まあ〜!」
美女の目がに向けられたので気押されて半歩下がった。
「あなたがさま!?やぁだ〜なんて美しい方なんでしょう!陛下と同じ双黒ね!あぁ素敵!!」
美女はの手を握り一気に撒くし立てた。
「あたくしはフォンシュピッツヴェーグ・ツェツィーリエ。よろしくねさま!」
むぎゅうっと抱きしめられた。
「はいはい離れてください」
すばやくコンラッドが引き離す。
「あん!コンラートったら……あら?もしかしてあなたさまと?」
「えぇ。そういうことです」
にっこりと微笑むコンラッドを驚いたように見ていた美女もすぐに笑顔にかわった。
「素敵!!こぉんな美人を捕まえるなんてさすがあたくしの息子ね!嬉しい!あたくしずっと娘が欲しかったの!!!」
「?」
コンラッドはぽかんとしているの顔の前で手を振った。
がハッと我に返る。
「コンラッドあの、息子って言ってなかった?」
「言いましたね」
「息子って…誰?男?」
「……俺です」
美女の息子がコンラッド……コンラッドのお母さんがセクシークィーン………………………………………………
「うそっ!!」
「本当。ちなみに上王陛下です」
「うそ――――!!!」
驚くに美女は言った。
「ツェリって呼んでvあ、お母様でもよくってよ」
「疲れましたか?」
手に飲み物を持ってコンラッドは隣に座った。
上王陛下主催のパーティに招かれたはツェリ見立てのドレスに身を包んでいた。
「早く帰りたい…」
せっかくのパーティなのに壁の華となっていた。
あの後ツェリに拉致され着せ替え人形になった挙句選ばれたドレスは背中に布がなかった。
迎えに来たコンラッドも眉を寄せたほど。
だけど紳士な彼は誉めることも忘れなかった。
「すいません。母が無茶を言ったんでしょう?今度俺から言っておきますから」
「いいよ。確かにドレスは恥ずかしいし着せ替えも疲れたけど楽しかったから。それにコンラッドのお母さんだもん」
「…」
「もっと仲良くなりたいもん」
そんなが愛しくて人目を憚らず抱きしめた。
「嬉しいです。そんな風に言ってもらえて」
「当たり前じゃない」
コンラッドの腕の中では満面の笑みを浮かべた。
「あらぁ〜やるわねコンラートったら。ほらヴォルフも頑張らなくちゃ!」
「あのーツェリさま。俺たち男同士なんで…」
「ユーリ!その態度はなんだ!?だからお前はへなちょこだと言うんだ!」
〜〜fin〜〜