大型の嵐が眞魔国を直撃したせいであたしの部屋の窓は粉々になり、修理のために与えられた部屋はなんとコンラッドの部屋!
無事に夜を過ごせると思いますか!?過ごせるわけない!!!
「そんな隅っこでどうしたんです?」
寝間着に着替え濡れた髪を拭きながら現れたのは部屋の主のコンラッド。
なんとか一緒にお風呂に入るのは阻止して先に、そしてコンラッドが入った。
「もしかしたらもう眠ってるかと思いました」
部屋の隅で小さくなっていたに近付く。
「ベッドに入っていてよかったのに」
「いや、泊めてもらうのに先に寝るのはどうかと思って…」
「そんな気遣いはしなくていいのに」
苦笑しての腕をとり立たせる。その時、稲光がした。
は怖がる様子もなく平然としていたが続いて聞こえた地響きのような雷音に小さく悲鳴をあげた。
「雷が怖いんですか?」
「雷というか音が怖い」
耳を掌で押さえて歩くの姿に頬が緩む。
「だからあんな隅にいたんですか?寝室にひとりは心細かった?」
耳を押さえていたから聞こえなかったかと思ったが頬が赤くなっているので図星だと思った。
ベッドを前にするとの足はピタリと止まった。
「なにもしませんから」
「……なにも言ってない」
はコンラッドがベッドに腰掛け頭を拭いているのを黙って見つめていた。
「?」
手にしていたタオルはに奪われていた。
「あたしがやってあげる」
にこっと笑うとコンラッドの頭を拭き始めた。
「つむじ、ここなんだぁ〜」
コンラッドは座りは立っているため普段は見ることのないつむじまで見れた。
「…拭けないんですけど…」
調子よく髪を拭いていたのにコンラッドが抱きついてきてやりにくいことこの上ない。
「俺もあなたの髪を拭いてあげたかった」
はお風呂からあがるとすぐにコンラッドをお風呂場に押し込んだので自分で髪を乾かした。
「今度、やらせてあげてもいいよ?」
「そうですか?ありがとうございます」
ちょうど胸元にコンラッドの頭があるため表情はわからないが声の感じから笑っていることはわかる。
「…頭押し付けすぎじゃない?」
「気のせいですよ」
段々抱きしめる腕に力が入っていると思っていたがどうもコンラッドの顔が胸に埋められているような……
しかも谷間に…ぎゃあ!左右に顔を振らないで――!!!!
「いや――!!!変態っ!」
「変態だなんてなにもしてないじゃないですか」
さも心外ですみたいな顔するコンラッド。
「バカバカバカー!!!」
「バカで結構ですよ」
「ぎゃあ!!!」
コンラッドの手がお尻を撫でた。
顔は変わらず胸にある。
「やだ―――!!!」
コンラッドの顔を両手で思いっきり押し退けた。
「いた…っ」
「あ!ごめんコンラッド!」
無理矢理に後ろに曲げられて顔をしかめる。
「なんてね」
心配したのに憎らしいほどの笑みを返されは怒りを覚えた。
「コンラッドのバカ!!!……わあ!?」
なだめようと伸ばされたコンラッドの腕を払った、がすぐに腕を掴まれコンラッドに足を払われはコンラッドに向かって倒れこんだ。
「もうっ!なにすんの!」
体を起こそうとしたが腕を回され身動きがとれない。
しかもあたしコンラッドに胸押し付けてるみたいになってるし!!
とはこのまま餌食になるのかと泣きたい気分で一杯になっていた。
コンラッドは胸の下で動かない。
たまに溜め息のようなものが漏れるから堪能しているのだと思われた。
「なんにもしないっていったじゃないのさ」
確かになんにもしないって言った。
これはもうしてるじゃないか!
「俺が言ったのは大人な意味の方ですよ。これはスキンシップです」
「スキンシップはハグとか軽いヤツを言うでしょーが!!」
「やだなぁ。こんなもの軽い軽い。ってばこれくらいで音を上げたら俺とナニかしたらどうなるんですか」
コンラッドとのスキンシップについての見解違い?
「とにかく離して〜恥ずかしくて死んじゃう〜〜〜」
「え―」
「えー、じゃない!」
「気持ち良かったのに…」
ブツブツ言いながらも腕を解いた。
「はあ…」
漸く解放されたものの動くことも出来ずにコンラッドの隣に寝転んだ。
「気にならなくなったでしょう?」
「はあ?」
寝転んだまま顔を向ければ同じ体勢のコンラッドも同じようにこちらを見ていた。
耳に雷の音が響く。
「……忘れてた」
の台詞におかしそうに笑う。
「結構音がひどくなってきたから今から激しくなりますよ」
「えーやだなあ」
の苦々しい顔にコンラッドはまた笑った。
「さて」
に跨ると頭の上で両手首をタオルで縛った。
「な!?」
「なにもしませんよ〜ただスキンシップをちょっとね」
「だからそれスキンシップじゃないってば―――!!!」
「そんなに嫌ですか?」
見下ろすコンラッドが寂しげに聞いた。
いつもこの手に騙される。母性を擽るような仕草に結局はが折れる。
「そんな顔しても騙されないんだからね」
「騙す?俺が騙してると?」
「だって…いつもそんな顔するの一瞬だけじゃないの」
「それはが俺を受け入れてくれるからですよ。本当に拒まれたら泣いてます」
「結局あたしに折れろと言うのね?」
「そうお願いしたいね」
は深く溜め息をついた。
どっちにしろ敵わないと悟ったけど甘い雰囲気に慣れていないからどうしたらいいのかわからない。
「がいいと言うまで手は出しませんけどスキンシップは許してくださいね?」
そう言って口付けようとした。
「待って!…タオル外してくれないとやだ」
「ああ、そうでした。」
暴れても外れなかったのにコンラッドは片手で結び目も見る事なくタオルを解く。
「これでキスしてもいいですか?」
はコンラッドの首に腕を回すことで返事をした。
「スキンシップだけだからね」
「スキンシップですね」
嬉しそうなコンラッドの顔を見ても微笑んだ。
〜〜fin〜〜